空き家税は静岡でも導入される?神戸・京都・寝屋川の動きと今から考えたい空き家活用

「空き家を所有しているだけで、新たな税金がかかるようになるのでしょうか」
「静岡県でも空き家税が導入される可能性はありますか」
このような不安を感じる空き家所有者も、今後増えていくかもしれません。
2026年7月、神戸市の有識者による検討会は、市中心部にある分譲マンションのうち、
所有者がいながら居住実態のない部屋を対象とした独自課税について答申を公表しました。

京都市ではすでに「非居住住宅利活用促進税」の導入が決まっており、
大阪府寝屋川市でも空き家の市場流通を促すための条例が可決されています。
現時点で、静岡県内に同様の税制度が導入されているわけではありません。
しかし、静岡県は全国平均を上回る空き家率となっている地域もあります。
課税制度ができるかどうかにかかわらず、使用していない住宅について、
管理・賃貸・売却などの方向性を早めに考える重要性は高まっています。
この記事では、神戸市・京都市・寝屋川市の動きを確認しながら、
静岡県内に空き家を所有している方が今から考えておきたいことを解説します。
※制度に関する内容は、2026年7月24日時点の公式情報を基にしています。
「空き家税」は全国共通の税金ではありません
報道では「空き家税」とまとめて表現されることがありますが、
全国一律で空き家に課税する新しい税金が決まったわけではありません。
現在具体化しているのは、自治体がそれぞれの地域事情に応じて検討・導入する独自の税制度です。
そのため、自治体によって次の内容が異なります。
- 対象となる地域
- 戸建てを含むか
- 分譲マンションだけを対象とするか
- どのような状態を「非居住」と判断するか
- 売却や賃貸に出している住宅を除外するか
- 税率や免税点
- 相続直後などの猶予期間
「誰も住んでいない家は、すべて直ちに課税される」と考える必要はありません。
一方で、住宅を使わず、市場にも出さずに保有し続けることに対して、
一定の負担を求めようとする動きが出てきたことは押さえておく必要があります。
神戸市ではタワーマンション以外の分譲マンションも検討対象に
神戸市の「居住と税制のあり方に関する検討会」は、2026年7月に答申を公表しました。
答申で示された主な目的は、都心にある住宅ストックの利活用を促進することです。
当初はタワーマンションの空き部屋が注目されていましたが、答申ではタワーマンションに限定せず、
市中心部の区分所有家屋、つまり分譲マンション全般を対象とする方向性が示されました。
一方、戸建て住宅は対象外とされています。
課税対象として想定されているのは、生活の本拠として使われている人がいない「非居住住宅」です。
住民票などの文書だけでなく、必要に応じて現地調査なども行い、居住実態を確認する考え方が示されています。
税率や具体的な対象地域などは、今後の制度設計で整理される予定です。
現時点では、答申が出された段階であり、すぐに課税が始まるわけではありません。
神戸市の調査では、市内のタワーマンションで住民登録のない部屋の割合は全体で約16.6%でした。
さらに、高層階ほど住民登録のない割合が高くなる傾向が確認されています。
ただし、住民登録がないことだけで、実際に誰も利用していないとは限りません。
そのため、実際の制度では居住状況をどのように判定するかが重要になります。
京都市では2030年度から課税開始予定
京都市では、空き家や別荘、セカンドハウスなど、居住者のいない住宅を対象とする
「非居住住宅利活用促進税」の導入が決まっています。
対象は、京都市の市街化区域内にある非居住住宅です。
神戸市の答申とは異なり、分譲マンションだけではなく、一定の戸建て住宅も対象になる制度です。
ただし、すべての非居住住宅が一律に課税されるわけではありません。
導入当初の5年間は、家屋の固定資産評価額が100万円未満の住宅は対象外です。
また、賃貸または売却を予定し、所有者から申告があった住宅についても、一定期間は課税が免除されます。
ただし、1年を経過しても賃貸借契約や売買契約に至らない場合は、原則として免除対象から外れる仕組みです。
ここからも、単に所有しているかどうかだけではなく、
住宅を実際に活用しようとしているか、市場に流通させているかが重視されていることが分かります。
寝屋川市では空き家の市場流通を促す条例が可決
大阪府寝屋川市でも、空き家を市場に流通させるための新たな税制度が検討されてきました。
寝屋川市の審議会は、売却用や賃貸用として市場に出ている住宅ではなく、
市場に流通しないまま保有されている空き家に着目しています。
税負担を設けることで、所有者に売却・賃貸・活用などを検討してもらい、
空き家が管理不全になる前に市場へ流通させることが主な目的です。
「寝屋川市空き家流通促進税条例」の制定案は、2026年7月9日の市議会で原案どおり可決されました。
神戸市、京都市、寝屋川市では、対象となる住宅や地域、制度の目的がそれぞれ異なります。
共通しているのは、使われていない住宅を放置するのではなく、居住や売却、
賃貸などにつなげることを促そうとしている点です。

静岡県でも空き家税が導入されるのでしょうか
2026年7月24日時点では、静岡県の公式な空き家対策案内において、
神戸市や京都市のような独自課税の導入は示されていません。
現在の静岡県では、専門家による無料相談会や、自宅の将来を考える終活セミナーなどが実施されています。
そのため、「近いうちに静岡県でも空き家税が始まる」と断定することはできません。
ただし、静岡県の空き家問題が軽いわけではありません。
静岡県が公表している情報によると、2023年の全国の空き家率は13.8%ですが、
静岡県の空き家率は16.7%です。県内では、およそ6戸に1戸が空き家という状況です。
今後も空き家が増え続ければ、自治体が所有者に対して、管理・売却・賃貸・解体などの対応を
促す施策を強化する可能性はあります。
その方法が新たな税制度になるのか、補助制度や指導の強化になるのかは分かりません。
少なくとも、「制度が決まってから考える」のではなく、
使用予定のない住宅について今後の方向性を整理しておくことが重要です。
課税の有無にかかわらず、空き家を早めに活用した方がよい理由
空き家の活用を考える理由は、将来の税負担だけではありません。
住宅は、人が住まなくなると換気や通水の機会が減り、湿気、カビ、害虫、
排水口からの臭いなどの問題が起こりやすくなります。
庭木や雑草が伸びれば、近隣から連絡を受けることもあります。
台風や強風の後には、屋根や外壁、雨どいなどに不具合が出ていないか確認する必要もあります。
時間が経過して建物の状態が悪くなるほど、賃貸や売却を検討する際の修繕費が増える可能性があります。
また、活用したい人が現れたときに建物の状態や権利関係が分からなければ、具体的な話を進めるまでに時間がかかります。
今すぐ売却や賃貸を決断しなくても、最低限の管理を続け、建物の状態や必要書類を把握しておくことには意味があります。
管理を続けていた空き家で入居者が決まった事例
静岡県内では、空き家をすぐに売却せず、管理を続けながら今後の活用方法を検討していた事例があります。
所有者は空き家を完全に放置するのではなく、必要な管理を続けていました。
その後、その住宅を賃貸で使いたいという方が現れたため、所有者と活用方法を検討しました。
最終的に賃貸として貸し出すことになり、入居者が決まりました。
この事例で重要なのは、最初から賃貸活用を明確に決めていたわけではないという点です。
空き家を一定の状態に保ちながら選択肢を残していたことで、
利用を希望する方が現れた際に、賃貸の検討へ進むことができました。
すべての空き家で同じように入居者が見つかるわけではありません。
それでも、空き家を放置せず、相談や活用の可能性を受け入れられる状態にしておくことで、
当初は想定していなかった活用方法につながることがあります。
静岡の空き家を活用するために今からできること
空き家の今後を考えるときは、最初から「売る」「貸す」「解体する」のどれか一つに決める必要はありません。
まずは、次の内容を整理してみてください。
建物の状態を確認する
雨漏り、傾き、床の傷み、給排水設備、電気設備、庭木などを確認します。
長期間室内を確認していない場合は、まず現地の状況を把握することが必要です。
登記や相続の状況を確認する
登記名義が亡くなった親や祖父母のままになっていると、売却や賃貸の手続きを進めにくくなることがあります。
相続人が複数いる場合は、誰がどのように管理し、今後どうするのかについて話し合う必要があります。
賃貸需要があるか確認する
賃貸に出せるかどうかは、建物の広さや築年数だけでは決まりません。
立地、駐車場、周辺の家賃相場、修繕費、生活利便性などを含めて判断します。
島田市、藤枝市、焼津市などでも、同じ市内で需要は異なります。駅からの距離だけでなく、車で生活しやすいか、勤務先へ通いやすいかといった地域事情も重要です。
売却した場合の価格も確認する
賃貸を第一希望としている場合でも、売却した場合の価格を確認しておくと、比較しやすくなります。
賃貸のために必要な修繕費と、売却した場合に残る金額を比べることで、所有者に合った方向性を考えられます。
定期的な管理を続ける
方向性が決まるまでの間も、換気、通水、郵便物の確認、庭木や雑草の確認などを続けることが大切です。
遠方に住んでいて定期的な訪問が難しい場合は、遠方にある空き家の管理サービスを利用する方法もあります。
賃貸活用がすべての空き家に適しているわけではありません
空き家を活用する方法として賃貸は有力な選択肢ですが、すべての住宅に適しているわけではありません。
賃貸を始めるために多額の修繕費が必要になる場合や、周辺に十分な賃貸需要がない場合もあります。
入居者が決まった後は、設備の故障、家賃管理、入居者からの連絡、退去時の原状回復などにも対応しなければなりません。
また、増築部分が未登記になっている、接道条件に問題がある、給排水設備が古いなど、事前確認が必要な住宅もあります。
そのため、賃貸に出す前には、少なくとも次の点を確認します。
- どの程度の家賃が見込めるか
- 入居者募集に必要な修繕費
- 修繕費を家賃で回収できるか
- 所有者が管理を続けられるか
- 将来売却するときに支障がないか
- 法令や建物の安全性に問題がないか
賃貸が難しい場合には、売却、買取、解体、地域活動への活用なども含めて比較することが大切です。
静岡県内の空き家を賃貸活用する方法と、空き家の売却・買取の両方を確認したうえで判断する方法もあります。
まだ売るか貸すか決めていない段階でも相談できます
空き家について相談する際、事前にすべてを決めておく必要はありません。
例えば、次のような段階でも相談できます。
- 売却と賃貸のどちらがよいか分からない
- 数年後に使う可能性がある
- 家財や荷物が残っている
- 相続登記が終わっていない
- 修繕にどの程度かかるか分からない
- 遠方に住んでいて現地を確認できない
- 地域の人に活用してもらえるか知りたい
空き家を所有しているだけで直ちに新たな税金がかかる状況ではありません。
しかし、全国の一部自治体では、居住も市場流通もしていない住宅について、所有者に行動を促す制度が具体化しています。
静岡県でも空き家が増えている以上、今後も従来とまったく同じ制度が続くとは限りません。
税制度への不安だけで急いで売却する必要はありませんが、建物の状態が悪くなる前に、
どのような選択肢があるかを確認しておくことをおすすめします。
まとめ
神戸市では、市中心部にある非居住の分譲マンションを対象とした独自課税について、具体的な方向性が示されました。
京都市では2030年度から非居住住宅への課税が予定され、
寝屋川市でも市場に流通していない空き家に関する条例が可決されています。
自治体ごとに対象や制度は異なりますが、空き家を使わないまま保有するのではなく、
居住・賃貸・売却などにつなげようとする流れは強まっています。
静岡県内の空き家についても、売却だけが選択肢ではありません。
管理を続けながら活用方法を探すことで、賃貸を希望する方との縁につながることもあります。
すべてを決めてから相談する必要はありません。現状を整理し、賃貸・売却・管理など、
どのような選択肢があるかを確認する段階からご相談いただけます。
\空き家の悩みをお持ちの方、まずは無料でご相談下さい!/

コメント