静岡県で実家を相続したら、まず何をする?空き家の管理方法と確認すべきこと

静岡県で実家を相続したら、まず何をする?空き家の管理方法と確認すべきこと

「静岡県にある実家を相続したものの、何から始めればよいか分からない」
「県外に住んでいるため、定期的に管理できない」
「売るか貸すかを、まだ家族で決められていない」

実家を相続すると、名義変更や税金、家財整理、建物の管理など、考えなければならないことが一度に増えます。

大切な家族を亡くした直後では、すぐに不動産のことまで考えられない方も少なくありません。
売却や賃貸について、家族の意見がまとまらないこともあるでしょう。

しかし、今後の方針が決まっていなくても、建物の状態確認や相続関係の整理など、
先に進めておいた方がよいことがあります。

この記事では、静岡県内の実家を相続した方に向けて、最初に確認したいこと、
空き家の管理方法、売却・賃貸・保有を考える順番について分かりやすく解説します。

※相続、登記、税務などの扱いは個別の状況によって異なります。
具体的な手続きについては、司法書士、税理士、弁護士などへの確認が必要です。

目次

実家を相続しても、すぐに売却を決める必要はありません

実家を相続すると、「早く売らなければならない」と考える方もいます。
しかし、相続した不動産をすぐに売却しなければならないわけではありません。

将来自分や家族が住む可能性がある場合は、そのまま所有する選択肢があります。
建物の状態や地域の需要によっては、賃貸住宅として活用できる可能性もあります。

主な選択肢は、次のとおりです。

  • 自分や家族が住む
  • 定期的に管理しながら保有する
  • 賃貸住宅として貸し出す
  • 売却する
  • 地域活動や事業などに活用する
  • 建物を解体して土地として利用・売却する

大切なのは、相続直後に結論を急ぐことではありません。

まずは、誰が相続人になるのか、建物がどのような状態なのか、維持するためにどの程度の費用がかかるのかを整理します。
そのうえで、それぞれの選択肢を比較することが重要です。

静岡県では空き家への対応が重要になっています

静岡県が公表している2023年の住宅・土地統計調査に関する情報によると、
静岡県の空き家率は16.7%で、全国の13.8%を上回っています。およそ6戸に1戸が空き家という状況です。

空き家が増える背景の一つに、実家の相続があります。

相続人が県外に住んでいる、家族で話がまとまらない、家財が多く整理できないなどの事情によって、
今後の方針を決められないまま時間が経過することがあります。

島田市、藤枝市、焼津市などの静岡県中部でも、同じ市内で立地条件や住宅需要は異なります。
駅から離れていても、駐車場が確保されている住宅や、車で主要道路へ移動しやすい住宅には、
賃貸や購入の需要が見込める場合があります。

一方で、建物の老朽化が進んでいる、接道条件に問題がある、修繕に多額の費用がかかるなどの事情から、
活用が難しい物件もあります。

「古いから活用できない」「地方だから売れない」と最初から決めつけず、
建物の状態と地域の需要を個別に確認することが大切です。

実家を相続したら最初に確認したい7つのこと

相続した実家については、売却や賃貸を考える前に、まず次の項目を確認します。

1.誰が相続人になるのかを確認する

最初に、実家を誰が相続するのかを確認します。

遺言書がある場合は、その内容を確認します。遺言書がない場合は、戸籍などを基に法定相続人を確認し、
必要に応じて遺産分割協議を行います。

相続人が複数いる状態では、一人の判断だけで不動産を売却したり、
長期間の賃貸借契約を結んだりすることが難しい場合があります。

家族の中で、次の点を話し合っておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

  • 誰が実家を相続するのか
  • 相続が決まるまで誰が管理するのか
  • 管理費や固定資産税を誰が負担するのか
  • 売却、賃貸、保有のどれを検討するのか
  • 家財や思い出の品をどのように整理するのか

話し合った内容は、口頭だけで終わらせず、記録に残しておくことをおすすめします。

2.相続登記の状況を確認する

2024年4月1日から、不動産の相続登記が義務化されました。

不動産を相続したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

2024年4月1日より前に発生した相続であっても、相続登記が終わっていない不動産は義務化の対象です。
以前の相続については、原則として2027年3月31日までが一つの期限になりますが、
相続を知った時期などによって期限が異なる場合があります。

遺産分割協議がまとまらず、期限内に通常の相続登記を行うことが難しい場合には、
「相続人申告登記」という制度を利用できることがあります。

相続登記について分からない場合は、法務局や司法書士に確認しましょう。

3.相続税の申告が必要か確認する

すべての相続で相続税が発生するわけではありません。

ただし、相続財産の総額が基礎控除額を超える場合などは、相続税の申告と納税が必要になる可能性があります。

相続税の申告が必要な場合、原則として、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告書を提出します。
遺産分割協議がまとまっていないことだけを理由に、申告期限が延長されるわけではありません。

不動産だけでなく、預貯金、有価証券、生命保険金なども含めて確認する必要があります。
相続税が発生するか分からない場合や、不動産の評価方法に不安がある場合は、早めに税理士へ相談してください。

4.建物の状態を確認する

相続した実家を長期間訪れていない場合は、室内だけでなく、屋根、外壁、庭、設備なども確認します。

主な確認項目は、次のとおりです。

  • 雨漏りの跡がないか
  • 窓や玄関が破損していないか
  • 外壁や屋根材が落下するおそれがないか
  • 床や柱に大きな傾きや腐食がないか
  • 給排水設備から漏水していないか
  • 庭木や雑草が隣地や道路にはみ出していないか
  • 郵便物がたまっていないか
  • 害虫や動物が侵入した形跡がないか
  • 不法侵入や盗難の形跡がないか

特に、台風や大雨の後は、屋根、雨どい、窓、敷地内の排水などに問題が起きていないか確認した方がよいでしょう。
建物へ入ること自体が危険な状態であれば、無理に内部へ入らず、建築士や工事会社などに確認を依頼してください。

5.鍵、書類、公共料金を整理する

実家の鍵がどこに何本あるのかを確認します。

親族や近隣住民、以前依頼していた業者などが鍵を持っている可能性もあります。
管理状況が分からない場合は、必要に応じて鍵の交換も検討します。

あわせて、次の書類を探しておきましょう。

  • 登記識別情報通知や権利証
  • 固定資産税の納税通知書
  • 土地や建物の売買契約書
  • 建築確認済証や検査済証
  • 建物の図面
  • 測量図や境界に関する書類
  • リフォームや修繕の記録
  • 火災保険の保険証券
  • 借入れや抵当権に関する書類

電気、ガス、水道、電話、インターネットなどについても、契約状況を確認します。

管理のために電気や水道を残した方がよい場合もあるため、すべてをすぐに解約するのではなく、
今後の使い方を考えて判断します。

6.火災保険の契約内容を確認する

亡くなった方の名義で火災保険に加入していた場合、相続後の名義変更や契約内容の見直しが必要になることがあります。
また、居住中の住宅から空き家になることで、保険会社への申告や契約変更が必要になる場合があります。

建物の利用状況が契約内容と異なっていると、事故が起きた際の補償に影響する可能性があります。
空き家になったことを保険会社や代理店へ伝え、補償を継続できるか、どのような手続きが必要かを確認してください。

7.近隣への連絡方法を決める

空き家の近隣住民は、庭木、雑草、害虫、台風後の破損などを心配していることがあります。

可能であれば、近隣の方に所有者や管理者の連絡先を伝えておくと、異常があった場合に早く連絡を受けられます。
ただし、個人情報を伝えることに不安がある場合は、管理を依頼する会社を連絡窓口にする方法もあります。

相続した空き家で必要になる主な管理

相続後すぐに売却や賃貸をしない場合は、建物の状態を保つために定期的な管理が必要です。

室内の換気

閉め切った状態が続くと、室内に湿気がたまり、カビや臭いが発生しやすくなります。
天候や防犯面に注意しながら、窓や収納扉を開けて換気します。
ただし、換気をしただけで建物の劣化を完全に防げるわけではありません。
雨漏りや結露などの原因がある場合は、修繕を検討する必要があります。

水道の通水

長期間水を使わないと、排水口の封水が蒸発し、下水の臭いや害虫が室内に入ることがあります。
水道を使用できる状態であれば、台所、洗面所、浴室、トイレなどで通水します。
冬季に凍結のおそれがある地域や、配管が劣化している住宅では、漏水にも注意が必要です。

郵便物の確認

郵便受けにチラシや郵便物がたまると、長期間不在であることが外部から分かりやすくなります。
郵便物の転送手続きを行い、定期的に郵便受けを確認しましょう。

庭木や雑草の手入れ

庭木や雑草を放置すると、隣地や道路にはみ出したり、害虫が発生したりすることがあります。
夏場は成長が早いため、季節に応じた対応が必要です。
自分で作業することが難しい場合は、造園業者や草刈り業者などへの依頼を検討します。

建物外部の確認

屋根、外壁、窓、雨どい、塀、門扉などに破損がないか確認します。
外壁材や屋根材が落下すれば、通行人や隣家に被害を与える可能性があります。
台風や地震の後は、通常の管理とは別に臨時確認を行うと安心です。

空き家を放置すると、固定資産税に影響することがあります

空き家になっただけで、直ちに土地の固定資産税が大幅に上がるわけではありません。

しかし、適切に管理されていない空き家は、市区町村から「管理不全空家」や「特定空家」
として指導の対象になる可能性があります。

指導を受けても改善せず、市区町村から勧告を受けた場合は、
土地に適用されている固定資産税などの住宅用地特例から外れることがあります。

小規模住宅用地では、通常、固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。
その特例が外れると、固定資産税の負担が増える可能性があります。

ただし、空き家になっただけで自動的に特例が解除されるわけではありません。

建物の状態、市区町村からの指導・勧告の有無、土地や建物の利用状況などによって扱いが異なります。
具体的な課税については、物件所在地の市町の固定資産税担当部署へ確認してください。

遠方に住んでいて管理できない場合はどうする?

県外など遠方に住んでいる方が、静岡県内の空き家を自分だけで管理するのは簡単ではありません。
定期的に訪問するための交通費や時間がかかります。台風や大雨があっても、すぐに現地を確認できないことがあります。

そのような場合は、次の方法を検討します。

親族や近隣の方に依頼する

近くに信頼できる親族がいる場合は、郵便物や建物外部の確認を依頼できることがあります。
ただし、長期間にわたって無償で管理を任せると、負担や責任の範囲が曖昧になりやすいため注意が必要です。
確認してもらう内容、頻度、緊急時の連絡方法などを決めておきましょう。

地元の管理会社へ依頼する

親族に頼むことが難しい場合は、空き家管理サービスを利用する方法があります。
サービス内容は会社によって異なりますが、一般的には次のような対応があります。

  • 建物外部の目視確認
  • 郵便物の確認
  • 室内の換気
  • 水道の通水
  • 庭木や雑草の確認
  • 写真付きの管理報告
  • 台風や大雨後の臨時確認
  • 修繕が必要な箇所の報告

どこまで対応してもらえるのか、異常があった場合の連絡方法、修繕手配の範囲などを契約前に確認することが重要です。

静岡空き家総合サービスでは、遠方にある空き家の管理についてご相談いただけます。

家財や荷物が残っていても相談できます

実家には、家具、衣類、食器、写真、仏壇、書類など、多くの家財が残っていることがあります。

「荷物をすべて処分してからでなければ相談できない」と考える方もいますが、
最初から片付けを終わらせる必要はありません。

先に売却や賃貸の可能性を確認してから、どこまで片付けるかを決めた方がよい場合もあります。
例えば、解体を予定している住宅と、賃貸住宅として活用する住宅では、必要になる整理や修繕の内容が異なります。

また、家財の中には、相続に関する書類や権利証、通帳、保険証券、貴重品などが含まれている可能性があります。
すべてをまとめて処分せず、重要書類や思い出の品を分けながら進めることが大切です。

家財整理や相続を含めて検討したい方は、リフォーム・相続・家財整理を含めた空き家相談をご確認ください。

管理しながら売却・賃貸・活用を比較する

相続した実家の方針が決まっていない場合は、管理を続けながら複数の選択肢を比較します。

そのまま保有する

将来自分や家族が住む予定がある場合は、保有を続ける選択肢があります。
ただし、固定資産税、火災保険、修繕費、庭の手入れ、交通費などの維持費がかかります。
「いつか使うかもしれない」という理由だけで保有する場合は、利用予定と年間の維持費を整理しておきましょう。

賃貸住宅として活用する

建物の状態や地域の需要によっては、賃貸住宅として活用できる可能性があります。
一方で、入居者募集の前に修繕が必要になることや、貸し出した後に設備故障や入居者対応が発生することもあります。

次の項目を確認したうえで判断します。

  • 周辺に賃貸需要があるか
  • どの程度の家賃が見込めるか
  • 募集前の修繕にいくらかかるか
  • 修繕費を家賃で回収できるか
  • 駐車場や接道に問題がないか
  • 所有者が賃貸管理を続けられるか

詳しくは、静岡県内の空き家を賃貸活用する方法をご覧ください。

売却する

今後使用する予定がなく、管理を続けることが負担になる場合は、売却も選択肢になります。
売却には、不動産会社を通じて購入者を探す方法と、不動産会社などに直接買い取ってもらう方法があります。

仲介による売却は、買取より高く売れる可能性がある一方、売却まで時間がかかる場合があります。
買取は、比較的早く手続きを進めやすい反面、一般的には仲介で売却する場合より価格が低くなる傾向があります。

建物を残したまま売るのか、解体して土地として売るのかによっても、費用や売却条件が変わります。

静岡県内の空き家売却・買取について詳しく見る

空き家バンクなどを利用する

地域によっては、市町の空き家バンクを利用できる場合があります。

静岡県は、県内の空き家情報をまとめた「ふじのくに空き家バンク」などを案内しています。
物件所在地の市町が独自に空き家バンクを運営していることもあります。

ただし、登録条件、契約方法、修繕費への補助などは自治体によって異なります。

空き家バンクへ登録すれば必ず売却・賃貸できるわけではないため、
一般の不動産市場での募集と比較しながら検討することが大切です。

無料問い合わせフォーム (4)

実家の管理でよくある不安

まだ相続登記が終わっていません

相続登記が終わっていなくても、建物の状態確認や今後の選択肢について相談することはできます。
ただし、実際に売却したり、正式な契約を締結したりする際には、相続関係や登記名義を整理する必要があります。
相続人が複数いる場合は、早い段階で関係者を確認しておきましょう。

家族で意見がまとまっていません

家族で意見がまとまらない場合は、すぐに売却や賃貸を決めるのではなく、客観的な情報を集めることから始めます。

例えば、次の情報があると話し合いやすくなります。

  • 現在の建物の状態
  • 年間の維持費
  • 想定される売却価格
  • 想定される家賃
  • 賃貸前に必要な修繕費
  • 解体費用
  • 将来利用する家族がいるか

感情だけで結論を出そうとせず、具体的な数字や条件を並べて比較することが大切です。

古い住宅なので活用できないと思います

築年数が古くても、立地や建物の状態、間取り、駐車場などによっては、活用できる可能性があります。

一方で、耐震性や設備の老朽化、接道条件などに問題があり、多額の費用をかけてまで活用することが
適切ではない場合もあります。
現地を確認せず、築年数だけで判断することは避けた方がよいでしょう。

売るか貸すか決まっていません

売却か賃貸かを決めていない段階でも相談できます。
売却価格、想定家賃、必要な修繕費、維持費などを比較してから判断する方法があります。
最初から一つの選択肢に絞らず、所有者や家族の希望を整理することが重要です。

不動産仲介の経験から感じる、相続直後に大切なこと

相続した実家について、最初から完璧な答えを出す必要はありません。

不動産仲介や空き家活用に携わる立場から大切だと感じるのは、「結論を急ぐこと」よりも、
「選択肢を失わない状態にしておくこと」です。

建物を放置して劣化が進めば、数年後に賃貸や売却を考えたとき、必要な修繕費が増える可能性があります。
相続関係を整理しないまま時間が経過すると、次の相続が発生して、関係者が増えることもあります。

反対に、定期的に管理し、必要書類や相続関係を整理しておけば、家族の方針が決まったときに動きやすくなります。
売却、賃貸、保有、解体のどれが正解かは、物件や家族の状況によって異なります。
だからこそ、最初の段階では「何をするかを決める」のではなく、
「どのような選択肢があるかを把握する」ことが大切です。

まとめ すべて決める前から空き家の相談はできます

静岡県内の実家を相続したら、まず次の順番で確認してみましょう。

  1. 相続人と遺言書を確認する
  2. 相続登記の期限を確認する
  3. 相続税申告の必要性を確認する
  4. 現地で建物の状態を確認する
  5. 鍵、書類、公共料金、保険を整理する
  6. 定期的な管理方法を決める
  7. 売却、賃貸、保有、解体などを比較する

実家を相続した直後に、売却や賃貸の方針まで決める必要はありません。

家財が残っている、相続登記が終わっていない、家族の意見がまとまっていないという段階でも、
現状を整理することはできます。

遠方に住んでいて管理が難しい場合は、建物が傷む前に、現地確認や管理を依頼する方法もあります。

すべてを決めてから相談する必要はありません。

静岡空き家総合サービスでは、現在の建物や相続の状況を確認しながら、
管理・賃貸・売却など、どのような選択肢が考えられるかを整理する段階からご相談いただけます。

静岡県内で相続した空き家について相談する

※本記事は2026年7月28日時点の制度を基に作成しています。
法務・税務・相続に関する最終的な判断は、司法書士、税理士、弁護士、物件所在地の行政窓口などにご確認ください。

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