島田市の空き家活用、実際の反響は?戸建て賃貸・店舗相談から見えたこと|vol.4

島田市の空き家について、vol.1〜vol.3では公表データや制度、売却・賃貸・活用方法を整理してきました。

今回は少し視点を変えて、私が島田市内で戸建て賃貸や事業用物件の募集、問い合わせ対応に関わってきた中で感じたことをまとめます。

この記事で紹介する内容は、島田市全体の賃貸市場を示す統計ではありません。私が実際に募集物件を見たり、借りたい方から問い合わせを受けたり、所有者と募集条件を相談したりしてきた中での経験です。それでも、空き家を「貸せるか」「どこまで直すか」「どんな人に使ってもらうか」を考える材料にはなると思います。

目次

築古戸建てでも、室内写真の見せ方で反響は変わる

島田市郊外で、1980年代築・50㎡前後、賃料5万円程度の戸建てを募集したことがあります。築年数だけを見れば、決して新しい物件ではありません。

それでも、自然光が入る時間帯に室内を明るく撮影し、部屋の状態が分かる写真を掲載すると、問い合わせは入りました。築古物件を探している方が、必ずしも新築のような内装を求めているわけではありません。私が問い合わせ対応をしてきた中では、「最低限きれいに使えるか」「室内が暗くないか」「そのまま生活を始められそうか」といった部分を見ている方も多いと感じます。

反対に、外観写真だけで古さの印象が先に立つと、室内まで見てもらう前に候補から外されてしまうことがあります。築年数そのものを変えることはできませんが、「中は思っていたより明るい」「これならそのまま使えそう」と感じてもらえる写真を掲載することで、物件の伝わり方は変わります。

この物件では、一般的な住居利用だけではなく、パーソナルジムやネイルサロンなど、店舗兼住宅として使えないかという問い合わせもありました。

駅から離れた戸建てでは、駐車場の違いを感じることがある

似たような賃料・広さ・築年数の戸建てでも、駐車場の条件によって反響に差を感じたことがあります。

先ほどの戸建ては、敷地内に2台分の駐車スペースを確保できました。一方、駅から離れた場所にありながら、軽自動車1台分しか駐車できない戸建てでは、問い合わせそのものが弱く感じました。問い合わせがあった場合にも、「近くでもう1台借りられる駐車場はありませんか」と聞かれることが何度かありました。

もちろん、すべての借主が車を2台所有しているわけではありません。ただ、駅から離れた戸建てでは、賃料や室内状態だけではなく、家族で使う車をどこに置けるかまで確認されるケースがあります。そのため、敷地内の駐車台数だけではなく、近隣に月極駐車場があるかまで募集前に確認しておくと、問い合わせにも答えやすくなります。

条件が良くても反響が弱い物件、条件が弱くても決まる物件がある

募集をしていると、「この物件なら決まりそうだ」と思ったものが苦戦する一方、「これは少し難しいかもしれない」と感じた物件が早く決まることもあります。

実際に金谷地区で、水回りは大きなリフォームをしなくても使える状態で、駐車場も2台確保できる戸建てを募集したことがあります。条件だけを見ると、比較的貸しやすい物件だと考えていました。ところが、実際には問い合わせそのものが少なく、私がこれまで対応してきた範囲では、島田駅周辺の物件と比べて反応の弱さを感じました。大井川を越えて金谷側に入ると、住居賃貸の問い合わせがやや少なく感じる場面があります。

一方で、駅から徒歩圏内ではあるものの、室内状態はあまり良くなく、駐車場もない格安の戸建てもありました。一般的な住居として考えると、条件はそれほど強くありません。ところが、「荷物置き場として使いながら、少し作業もしたい」という方から問い合わせが入り、比較的早く借り手が決まりました。最初からその用途を探していた方です。

駅前には事務所や店舗の空室もありますが、前のテナントの内装が残っている物件では、荷物を置いたり簡単な作業をしたりする用途には合わないことがあります。一方、内装がシンプルな古い戸建ての方が、使う人によっては都合が良いこともあります。

この経験から、空き家は「住居として条件が良いか」だけで考えると、別の需要を見落とすことがあると感じています。

住宅として募集していても、店舗兼用の相談が入る

島田市内で戸建てを住宅として募集していても、「店舗と住宅を兼用できませんか」と聞かれることがあります。私が実際に受けた相談では、パーソナルジム、ネイルサロン、整体、教室などがありました。大きな店舗を借りて開業するのではなく、住みながら小さく事業を始めたいという相談です。

こうした問い合わせを受けた際、話を進められるかどうかは、貸主が住居以外の利用を認めるかにも左右されます。私は募集前の段階で、「住居だけではなく、事業を兼ねたいという相談が入る可能性もあります」と貸主に伝え、どの程度までなら検討できるか確認するようにしています。問い合わせが来てから初めて貸主へ相談すると、そこで話が止まってしまうことがあるためです。

また、安めの戸建てを募集していると、「外国籍でも入居できますか」という問い合わせを受けることもあります。私が対応する際は、国籍そのものではなく、契約内容や入居後の連絡をどのように共有できるかを確認しています。日本語でのやり取りが難しい場合でも、多言語の契約資料や、やさしい日本語、通訳できる方のサポートなど、意思疎通の方法を確認したうえで進められるケースもあります。

そのほか、戸建てを探す理由として、「現在の賃貸ではペットを飼えない」「子どもの生活音を集合住宅で気にしたくない」という話もよく聞きます。戸建て賃貸は、単に部屋数や広さだけではなく、集合住宅では解決しにくい事情を持つ方から選ばれることがあります。

「相場賃料はいくらか」だけではなく、その賃料に見合う状態かを見る

空き家所有者と話していると、希望賃料が周辺相場から大きく外れているケースばかりではありません。むしろ、「その賃料なら貸せると思います。ただ、この状態のままでは難しいです」とお伝えすることがあります。

例えば、周辺で6万円程度の戸建てが募集されていたとしても、それは入居した日からお風呂やキッチン、洗面所などを問題なく使える状態であることが前提です。同じ6万円でも、水回りが清潔でそのまま使える物件と、入居後すぐに修理や交換が必要な物件では、借り手から見た条件は同じではありません。

私が築古戸建てを見る際は、特に、お風呂、キッチン、洗面所、エアコンを確認します。ただし、築年数が古いからといって、すべて新品にする必要があるとは考えていません。実際に、キッチン本体はまだ使える状態だったため交換せず、吊戸棚をリメイクして見た目を整えたことがあります。浴室もユニットバス自体は交換せず、汚れやカビを徹底的に清掃してから貸し出しました。

築古物件では、「全部交換する」「何も直さずそのまま貸す」の二択ではありません。まだ使えるものを残しながら、借りる人がそのまま使える状態まで整える方法もあります。高額なリフォームをする前に、「この設備は本当に交換が必要か」「清掃や部分的なリメイクで対応できないか」を一つずつ見ていく方が、空き家によっては合っています。

使える設備と、募集前に交換した方がいい設備は分けて考える

一方で、「まだ動いているから、そのままでいい」とは考えない設備もあります。

ある物件では、お風呂やキッチン自体は使用できましたが、給湯器が数か月に一度不具合を起こしていました。所有者は、「また故障する可能性があることを借主へ伝えて、そのまま貸せないか」と考えていました。私は、新しい入居者を募集するこのタイミングで給湯器を交換することを提案しました。

築古戸建てだからといって、すべての設備を新品にする必要はありません。ただ、給湯器のように日常生活への影響が大きく、すでに不具合を繰り返している設備を残したまま貸すと、入居後すぐに修理対応が必要になる可能性があります。使えるものは残す。一方で、不具合を繰り返している設備は募集前に対応する。空き家を賃貸にする際は、この切り分けがリフォーム費用を考えるうえでも大きいと感じています。

島田市の空き家は「誰に使ってもらうか」から考える

これまで島田市で物件を見たり、問い合わせを受けたりしてきて感じるのは、空き家の使い道は築年数や賃料だけでは決まらないということです。

自然光が入った室内写真を掲載することで反響につながる物件もあれば、駅から離れた場所では駐車場の台数がネックになる物件もあります。水回りが比較的きれいで駐車場が2台ある金谷の戸建てで問い合わせが少なかった一方、駅徒歩圏の古い格安戸建てが「荷物置き場兼作業場」という使い方で比較的早く決まったこともありました。また、住宅として募集していても、パーソナルジムやネイルサロン、整体、教室など、店舗兼住宅として使いたい方から相談が入ることもあります。

「古いから貸せない」「住宅として条件が弱いから難しい」と最初から決めるのではなく、この建物なら、どんな人がどう使えるかから考えてみると、活用方法が変わることがあります。もちろん、用途によって用途地域や建物用途、消防、契約条件などの確認が必要になる場合があります。

vol.1では島田市の空き家の実態を、vol.2では売却・賃貸・解体の比較を、vol.3では空き家の活用方法4選を紹介しています。

島田市の空き家について、「売るか貸すか」「どこまで直せばよいか」「住宅以外の使い方ができないか」と迷っている場合は、お気軽にご相談ください。

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