静岡市の空き家を売る前に知りたいこと|地価・古家付き土地・解体・境界を解説

静岡市で実家を相続したものの、「売ったらいくらになるのか見当がつかない」という理由で動けずにいる方は少なくありません。古い建物が建ったままの土地は、査定を受けてみないと分からない部分が多く、調べようにも何を見ればいいのか分かりにくいというのが実情です。

この記事では、令和8年の地価公示をもとにした静岡市の地価の目安と、古家付き土地ならではの売り方の注意点を整理します。静岡市の空き家全体の状況や、売却以外の選択肢(賃貸・管理・相続整理)についてはこちらでまとめています。

目次

静岡市の地価は、区によってかなり差がある

静岡市の住宅地平均価格(令和8年地価公示)

117,900円/㎡平均変動率 +0.8%
県内3位市町別平均変動率(上昇幅)

近隣の浜松市は住宅地平均73,900円/㎡・平均変動率+0.2%で、こちらも上昇はしていますが、静岡市の方が価格水準・上昇率とも上回っています。静岡市は「利便性の良い地域や希少性の高い地域を中心に需要が堅調」と評価されています。

区別に見ると、葵区135,500円/㎡、駿河区132,900円/㎡、清水区90,200円/㎡と、葵区・駿河区が清水区よりも高い水準です。

ただし、これはあくまで区の平均です。実際には同じ市内でも地点によって価格差がかなり大きく、例えば県内住宅地で最も価格が高い地点は駿河区曲金6丁目で362,000円/㎡(+3.1%)、葵区西草深町でも335,000円/㎡(+4.0%)です。一方、清水区折戸1丁目では37,300円/㎡(-1.1%)、葵区大原では32,700円/㎡(-2.1%)と、同じ静岡市内でも11倍前後の差があります。

令和8年地価公示(住宅地)の目安
区分価格前年比
葵区(平均)135,500円/㎡—
駿河区(平均)132,900円/㎡—
清水区(平均)90,200円/㎡—
駿河区曲金6丁目(県内最高)362,000円/㎡+3.1%
葵区西草深町335,000円/㎡+4.0%
清水区折戸1丁目37,300円/㎡-1.1%
葵区大原32,700円/㎡-2.1%

「静岡市だからいくら」と一律には言えず、実家がどのエリアにあるかで目安はかなり変わる、というのが実態です。なお地価公示は、建物などがないものとして評価した「正常価格」であり、実際の売買価格そのものではありません。土地の形状や接道状況、周辺の取引事例によって、実際の査定額は上下します。

築年数が古い家は、土地を中心に査定されることもある

相続した実家の中には、木造で築年数がかなり経っている建物もあります。築年数や建物状態によっては、建物価格が低く評価され、土地を中心に査定されるケースがあります。一方、リフォーム履歴や建物の状態によっては、そのまま利用したい買主が見つかることもあります。

そのため、上記のような地価の水準や、周辺の売買事例が、古家付き土地の相場を考えるうえでの手がかりになります。実際の査定額は、建物の状態(傾き・雨漏りの有無など)やリフォーム履歴によっても変わってきます。

「古家付きのまま売る」か「解体して更地にする」か

古い実家を売る際によく出てくる選択が、建物を残したまま売るか、解体して更地にしてから売るかです。

古家付きのまま売る場合は、売主が先に解体費用を負担せずに販売できます。また、建物をリフォームして使いたい買主が検討できる可能性も残ります。一方、更地にすると、新築用地として建物配置をイメージしやすくなるため、土地を探している買主には検討してもらいやすくなる場合があります。ただし、解体費用を売主が先に負担することになり、解体時期によっては土地の固定資産税にも影響します。

固定資産税の住宅用地特例
静岡市でも、住宅用地のうち200㎡以下の部分は固定資産税の課税標準が6分の1、200㎡を超える一般住宅用地の部分は3分の1に軽減されます。1月1日の賦課期日時点で住宅用地に該当しなくなると、原則としてこの特例の対象外になります。また、管理不全空家等や特定空家等について市の勧告を受けると、建物が残っていても特例が解除される場合があります。どちらが得かは、解体費用・売却までの期間・買主の層によって変わるため、査定の段階で一緒に確認しておくことをおすすめします。

古家付き土地の売却で気をつけたいこと

契約不適合責任

古い建物には、雨漏り、シロアリ被害、給排水管の老朽化など、外から見えない不具合が隠れていることがあります。引き渡し後に発覚すると、契約不適合責任(従来の瑕疵担保責任)を問われる可能性があります。分かっている雨漏りやシロアリ被害、設備不具合などは、売買条件を決める際に整理して買主へ伝える必要があります。必要に応じて建物状況調査などを検討する方法もあります。

境界の確認

古い土地では、隣地との境界がはっきりしていないケースも珍しくありません。境界が不明確な場合、買主や売買条件によっては、土地家屋調査士などによる測量・境界確認を求められることがあります。早い段階で確認しておくと、後の手続きがスムーズです。

名義・登記の整理

相続登記が済んでいない、あるいは建物が未登記のままだと、決済までにこれらを整理する必要が出てきます。相続登記や住所変更登記の義務化についてはこちら、名義が親のままになっているケースや未登記建物についてはこちらで詳しく解説しています。

売却の流れ

売却は、おおまかに次のように進みます。

  1. 査定:地価の目安や周辺事例をもとに、実際の物件を見て査定額を出します
  2. 媒介契約:不動産会社と契約し、売却活動を始めます
  3. 売却活動:広告・内見対応などを経て、購入希望者を探します
  4. 売買契約・決済:条件がまとまれば契約を結び、引き渡しと同時に代金を受け取ります

名義や境界の整理が済んでいない場合は、査定と並行してこれらの確認を進めておくと、契約から決済までがスムーズになります。

相続した空き家なら「3,000万円特別控除」も確認する

相続した実家を売る場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。なお、対象となる家屋・敷地を取得した相続人が3人以上の場合など、控除上限が2,000万円となるケースもあります。対象家屋や売却時期などにも条件があるため、利用できるかは税務署や税理士へ確認してください。

静岡市では、この特例の利用に必要な「被相続人居住用家屋等確認書」を住宅政策課で発行しています。相続した実家の売却を検討している場合は、早めに確認しておくと手続きがスムーズです。

まとめ

静岡市の実家の売却価格は、区や地点によって水準がかなり異なります。令和8年の地価公示では、葵区・駿河区が住宅地平均で13万円/㎡台、清水区が9万円/㎡台という違いがあり、同じ市内でも地点によって11倍前後の差が出ることもあります。築年数や建物の状態によっては土地を中心に査定されることもあるため、まずは土地としての目安をつかみ、境界や名義の状況、相続した場合に使える控除とあわせて確認しておくことが、スムーズな売却の第一歩になります。

静岡市で実家や空き家の売却を考えている場合は、売却・買取のページでも、売却方法やご相談の流れをご紹介しています。

この記事のデータ出典
  • 静岡県「令和8年地価公示」資料1・資料2(r8koujisiryou1.pdf、r8koujisiryou2.pdf):住宅地平均価格、市町別変動率順位、浜松市との比較、標準地(駿河区曲金6丁目・葵区西草深町・清水区折戸1丁目・葵区大原)の価格と変動率、「正常価格」の定義
  • 区別(葵区・駿河区・清水区)の住宅地平均価格:令和8年地価公示の標準地データに基づく集計値
  • 固定資産税の住宅用地特例・賦課期日・管理不全空家等/特定空家等の勧告による特例解除:地方税法に基づく一般的な制度、静岡市公式サイトの案内
  • 相続した空き家の譲渡所得3,000万円特別控除・被相続人居住用家屋等確認書:静岡市公式サイト(住宅政策課)
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